嫌気性菌による食中毒は季節に無関係?ボツリヌス菌、ウエルシュ菌、セレウス菌の症状と予防対策は?

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一般的に食中毒を起こす菌は加熱すれば死滅するイメージがあります。

成人であれば腹痛や下痢で苦しみ、命にかかわる事はあまりありません。

しかし幼い子供や老人においては注意が必要です。

普通、食中毒を起こすのは大腸菌やブドウ球菌が大半ですが。

まれに、胞子形成細菌と呼ばれる嫌気性菌がいます。

ボツリヌス菌、ウエルシュ菌、セレウス菌などです。

酸素を苦手にしており、酸素の無い所で増殖し、増殖時に毒素を作り出すのです。

ボツリヌス菌の食中毒は生死にかかわります。

胞子形成細菌とは?

栄養や環境条件が悪くなると固い殻に包まれて細胞内が乾燥状態の胞子に変化します。

胞子は植物の種のようなもので、菌が休眠状態になっているようなものです。

しかし、好適な環境になると、目を覚まし増殖を始めます。

胞子は耐熱性が強いので、加熱後の食品のなかでも生き残っていることがあります。

生き残った菌が増殖するときに毒素を出します。

これが食中毒を引き起こすのです。

それはボツリヌス菌、ウエルシュ菌、セレウス菌などです。

1、ボツリヌス菌の恐怖!

自然界で最強の毒素を作る食中毒菌がボツリヌス菌です。

ボツリヌス菌食中毒による致死率は20パーセント以上になりす。

ボツリヌス菌食中毒は、千年以上前からヨーロッパ各地で発生していました。

原因となる食品はハムやソーセ-ジでした。

現在では、毒素の型でA~Gの7つの型が知られています。

人に中毒を起こすのはA型、B型、E型の毒素です。

ボツリヌス菌とは?

酸素のあるところでは増殖出来ないので、酸素が嫌いです。

偏性嫌気性の桿菌といいます。

胞子の形で世界中の土壌、海、湖の底土など広く分布しています。

この胞子は適した環境になると発芽、増殖し毒素を作ります。

毒素は強力でフグ毒の300倍以上といわれています。

この毒素は筋肉の弛緩性麻痺を引き起こし、命にかかわる症状となります。。

この毒素は加熱により毒性が分解されます。

日本では1951年の発生以来66年間で120件が発生しています。

542人が発症し、113人が亡くなっています。

そのほとんどがE型菌でした。

食中毒の症状は?

潜伏期間は12時間から24時間です。

初めに嘔吐腹痛などの症状が出ます。

その後、めまい、頭痛、視力低下、瞳孔拡大などが起きます。

重症になると呼吸困難から命を失います。

食中毒の原因食品は?

欧米で多いのはソーセージ、缶詰、瓶詰からの感染が多いです。

日本では魚の発酵食品や辛子レンコン、瓶詰のオリーブによるものが知られています。

厄介なのは、病状の特定です。

食品で注意すべきは、レトルト類似商品といわれるものです。

見た目はレトルト食品と同じですが、要冷蔵保存となっています。

事故事例(レトルト類似商品「ハヤシライスの具」)

商品は冷蔵状態で宅配されました。

冷蔵保存の表示がありましたが、8日間常温で置いてありました。

そしてその家の11歳の女の子が食べてしまいました。

食事をして約18時間後に医療機関にかかります。

当初は原因がわかりませんでした。

ようやく8日後にボツリヌス毒素が確認されます。

女の子はボツリヌス菌食中毒だったのです。

外見はレトルト商品

レトルト殺菌をしていない真空パック商品はレトルト食品と見分けがつきにくいのです。

もちろん、要冷蔵と大きく書かれていますが、事の重大さに気が付かない人もいます。

保存方法を要冷蔵としているのは、菌の発生を抑えるためなのです。

要冷蔵していなければ当然菌は増殖します。

勘違いして常温で置いておくと、菌の増殖が進み毒素も作られているのです。

この毒素は加熱で分解するので加熱すれば大丈夫ですが…。

しかし、人の生き死にを左右するので十分気を付けたいですね。

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ボツリヌス菌の予防対策4原則

① 加熱により胞子を死滅させる。

レトルト食品や缶詰、瓶詰はこれに当てはまります。

② 温度、pH、水分活性、食塩濃度などの調整で菌の増殖を抑える。

③ 食べる直前に加熱する。

ボツリヌス菌の毒素は熱に弱いからです。

④ 低温管理の徹底です。

真空包装や脱酸素剤を使用している商品はボツリヌス菌が増殖可能となります。

消費段階までの低温管理が必要となります。

2、「給食病」ウエルシュ菌の食中毒

この食中毒は大量のウエルシュ菌を摂取して腸炎を起こす食中毒です。

菌が腸管内で胞子になる時に毒素を作るからです。

給食施設でのカレーやシチューなどの多量に作り置く食品で起こりやすいので「給食病」ともいわれます。

ボツリヌス菌は食品内で毒素を作るので「食品内毒素型」といい、

ウエルシュ菌は体の中で毒素を作るので「生体内毒素型」といいます。

ウエルシュ菌の特徴

酸素があるところでは増殖しにくい嫌気性菌です。

しかし、少し酸素に対して耐性があります。

ボツリヌス菌と同様広く自然界にいます。

食中毒の症状

潜伏期間が8~24時間と長いです。

それは腸内で胞子を形成し毒素を作る時間が必要だからです。

症状は激しい水溶性下痢と腹痛です。

そして経過は軽症です。

24時間以内に快方に向かいます。

ウエルシュ菌の予防対策

ウエルシュ菌は胞子の状態でどこにでもいるようです。

そして加熱調理後も生存している可能性が高いです。

しかも加熱処理により発芽しやすくなっています。

対策とすれば、菌の大量摂取をしないことにつきます。

それゆえ、食品は加熱後速やかに食べる。

間違っても室温に長く置かないことが重要です。

3、セレウス菌による食中毒

セレウス菌は食品の分解活性が高い腐敗菌です。

要するに食品を腐れセ易いのです。

セレウス菌食中毒は下痢型嘔吐型の2タイプあります。

そして、主な原因食品は米飯、麺、パスタ類です。

セレウス菌の特徴

酸素があっても無くても、胞子を形成する桿菌です。

周毛性鞭毛をもちます。

10℃~48℃で増殖します。

ほとんどの菌は毒性を示しません。

しかし、一部下痢毒素や嘔吐毒を作るものがいます。

セレウス菌は土壌細菌の一種で、自然界に胞子の形で分布しています。

穀物、豆類、香辛料、食肉製品、乳製品などについています。

セレウス菌の症状

下痢型は8~12時間の潜伏期間を経て、下痢と腹痛が怒ります。

嘔吐型は1~6時間と短い潜伏期間で、嘔吐を発症します。

いずれも症状は軽く、一両日中に回復します。

セレウス菌食中毒の原因

下痢型の菌では、食肉、野菜、乳および加工品などです。

嘔吐型の菌では、焼き飯、ピラフ、オムライスなどの米飯を主体としたものが多いです。

スパゲティー、焼きそばなどの麺類でも発生しています。

セレウス菌食中毒の対策

前日に残った米飯で焼き飯を作る場合に多発しています。

残った米飯を長時間室温で放置していたために起こったようです。

セレウス菌は胞子の状態で食品を汚染しており、熱にも強いのです。

通常の過熱で完全に殺菌するのは難しいのです。

調理前後の食材を、菌の増殖可能な温度帯に長時間置かないことです。

まとめ

表にまとめると下図のようになります。

ボツリヌス菌は一生出会うことがないかもしれませんが、命にかかわれます。

特に子供さんを持つ人は注意してあげてください。

菌はどこにでもいるのですからね。

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