食品衛生法とは何?15年ぶりの大改正、HACCPに沿った衛生管理の制度化、背景とポイント

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2018年の6月に食品衛生法が15年ぶりに大幅改正されました。

HACCPの制度化や食品リコールの報告、健康食品の規制強化などが大きく変わりました。

国際化の流れなどの社会情勢を踏まえたものです。

国際基準は小規模な事業者には無縁のように思われますが、そうでもないのです。

テナント契約の条件や新規取引の前提になることは容易に予想できます。

それだけに事業者により細かい対応が求められることになります。

なぜ今、大幅改正されたのか?

食品衛生法は1947年に制定されました。

食品汚染や腐敗、食中毒などの事故を防ぎ安全性を確保するためです。

食品の安全性を確保するための規制や処置が定められています。

初めての抜本的な改正は15年前の2003年に行われました。

そして今回2回目の抜本的改正が行われたのです。

2003年改正の背景は、当時問題となっていたBSEや、中国産冷凍野菜の残留農薬問題にあります。

当時の食品の安全性に関する課題が浮き彫りになってきました。

改正により食品への規制を強化し、国も積極的に介入することにより、消費者の信頼を高めることに貢献しました。

しかし、その後の15年で世の中は目まぐるしく変わり、新たな問題も発生してきました。

具体的には家族構成の変化、消費者の食に対する意識の変化などです。

また、食中毒や異物混入、健康食品による健康被害など、問題は後を絶ちません。

改正後のポイント

今回の食品衛生法改正で、大きく分けて7項目が変わりました。

① 広域的な食中毒案件への対策強化

② HACCP(ハセップ)に沿った衛生管理の制度化

③ 特別の注意を必要とする成分等を含む健康被害情報の収集

④ 国際的に合致した食品用器具・容器包装の衛生規制の整備

⑤ 営業許可制度の見直し、営業届け出制度の創設

⑥ 食品リコール情報の報告制度の創設

⑦ その他(輸入・輸出関係)

HACCPに沿った衛生管理の制度化

HACCPは食品の製造工程の安全性を確保する衛生管理手法です。

先進国を中心に義務化が進められています。

一般の衛生管理に加えHACCPに沿った衛生管理を求めています。

2020年6月までに施行されます。

しかし、1年の猶予期間があります。

小規模事業者や特定の業種向けには各業界団体がHACCPに沿った手引書を作成しています。

これを参考にした衛生管理が求められます。

健康被害情報の収集

いわゆる健康食品のうち特別の注意を必要とする成分を含むものが対象です。

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検討対象となるのは、厚生労働大臣が指定します。

例としては、アルカロイドやホルモン様作用成分のうち摂取過多で健康被害が起こるかもしれない成分などです。

健康被害が発生した場合には、保健所に被害情報の届け出が必要となりました。(義務化)

2020年6月までに施行されます。

健康食品の健康被害の相談が増加していることから新設されました。

健康被害の情報収集を制度化し、速やかに対応するためのものです。

包材の国際基準との整合性

これまで食品用の器具や容器包装は禁止されていない物質であれば使用できました。

いわゆる、「ネガティブリスト制度」でした。

しかし、海外で禁止されている材質であっても、制限をかけることができなかったのです。

今回の改正により、安全性が担保されたもののみ使用できることになります。

それ以外使用禁止の「ポジティブリスト制度」になりました。

営業許可制度の見直し

HACCPの制度化に伴い、営業許可の対象業種以外の事業者の所在等を把握するため、届出制度になりました。

実態に応じた営業許可業種への見直しや、現行の営業許可業種(政令で定める34業種)以外の事業者も把握しようとするものです。

これを届出制にします。

政令で定められている許可業種は、“飲食店営業”“食肉販売業”など34種でした。

それ以外にも自治体ごとに“漬物製造業”など独自に定めた業種があります。

コンビニエンスストアなどの場合、1施設で飲食店営業、食肉販売業、乳類販売業、魚介類販売業、菓子製造業と複数の営業許可申請を行うケースがあります。

これらも含めて見直し、営業の実態に応じた制度に見直されるのです。

商品リコール情報について

営業者が自主回収を行う場合に、自治体へ報告する仕組みの構築を行います。

厚生労働省による情報収集システムの構築などを情報収集を随時行い蓄積していきます。

これは2021年6月までに施行される予定です。

今後の動き

改正された項目は今後、1~3年以内に施行されるのもです。

現時点では決まっていないことも多く、常に情報を追っていくことが必要となります。

これまで以上に食の安全のレベルアップに取り組まないといけません。

厚生労働省や所属する業界団体からの情報発信に注意して、対応していくしかありません。

消費者にとっては、より安心安全な食品を手にするものであり、万一の時に行政が速やかに対応できるものです。

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