神宮といえば伊勢神宮、大社といえば出雲大社と言われています。
熊野も熊野大社、熊野本宮大社と大社がつくのです。
どうしてなのでしょうか。
また、熊野大社と熊野本宮大社は、同じと思っていたのですが、違う神社らしいのです。
出雲にもあるらしいのです、関係はないのでしょうか。
神宮について
「○○神宮」や「○○大社」と名の付く所は案外多くあるます。
都内だけでも「東京大神宮」「小石川大神宮」「芝大神宮」「明治神宮」など4社は存在します。
伊勢神宮は単独のお宮でなく伊勢周辺に鎮座する125社の総称で「神宮」というのです。
皇大神宮(内宮)、豊受大神宮(外宮)の他、別宮の瀧原宮、月夜見宮、月讀宮も神宮のひとつになります。
単独の神社で神宮とつくところは多いですが、伊勢は集合体で「神宮」です。
出雲大社も周辺に多くのゆかりある神社を従えています。
それらを総称して「大社」と言うのかもしれませんね。
熊野那智大社も古くは「那智山熊野権現」と言いました。
しかし、神仏分離令後に”神社”になり、大社を名乗っています。
それゆえに寺院色が今なお強く残っています。
これらから「伊勢」「出雲」など古代から正統な神社形式を継承するお社です。
それに関連する神社の集合体として神宮、大社と云われるのでしょうね。
熊野大社
熊野大社は2社あります。
一つは山形県南陽市にあり、正式には熊野神社というそうです。
通称、熊野大社と言われています。
この神社は、紀州熊野権現を勧請したものです。
熊野権現は熊野三山のどれか判っていません。
あと一つは、出雲国一宮熊野大社です。
火の発祥の神社として「日本火出初之社」(ひのもとひでぞめのやしろ)とも呼ばれています。
紀伊国の熊野三山は、出雲の熊野大社から紀伊国に勧請されたという説があります。
社伝では熊野村の住人が紀伊国に移住したときに、分霊を勧請したのが熊野本宮大社の元であ
るとしています。
しかし、真相はわかりません。
熊野三山
熊野三山(くまのさんざん)は、熊野本宮大社、熊野速玉大社、熊野那智大社の3つの神社の総称です。
この3つの神社の総称を「熊野大社」とは言わないのですね。
仏教的要素が強く、日本全国に約3千社ある熊野神社の総本社です。
神仏習合による、本地垂迹説によると、
熊野本宮大社の主祭神の家都御子神(けつみこのかみ)または家都美御子神(けつみこのかみ)は阿弥陀如来と云われています。
新宮の熊野速玉大社の熊野速玉男神(くまのはやたまおのかみ)または速玉神(はやたまのかみ)は薬師如来と云われています。
熊野那智大社の熊野牟須美神(くまのむすみのかみ)または夫須美神(ふすみのかみ)は千手観音と云われています。
また、熊野の3神は熊野三所権現と呼ばれ、主祭神以外も含めて熊野十二所権現ともいいます。
まとめ
山陰の熊野大社は仏教的要素が薄く、出雲地方の神々の中心的な神様と考えられます。
これに対して、熊野三山は極めて仏教的要素が強く残っている神社です。
これは修験道の影響が色濃く残っているからだと思われます。
おまけ
違いを、山陰は熊野大社、紀州は熊野三山ということで神社の区別はしているようです。
以上、無難に違いを書きましたが、ぶっちゃけよくわからないですよね。
日本霊界風土記 熊野 (たちばな出版)によると、
素戔嗚大神様がいらっしゃるのは出雲の熊野大社だそうです。
地球を地球たらしめる働きを総称する神様だそうです。
熊野本宮大社の神様は、地球を凝結する働きの国常立神様がおられるそうです。
地球の大地のエネルギーの神様ですね。
国常立神は素戔嗚大神様に含まれます。
例えていえば、前者は会社でいえば、公に会社を代表する様な存在だと思います。
後者はバリバリの営業本部部長みたいな感じのパワフルな実行力を備えた存在でしょう。
現実的にいえば、熊野本宮大社の方がパワーが凄いそうです。
熊野大社の方は万遍なく全てを包み込むご神徳といえるでしょう。