ウェルシュ菌食中毒は子供の大好きなカレーで発生する場合がある、予防は見た目だけでは不十分

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食中毒の発生原因の大半は、アニキサスやカンピロバクターやノロウィルスです。

これらは加熱調理で抑えられるものです。

平成30年は2.4%と発生頻度は少ないですが、気をつけたいのはウェルシュ菌の食中毒です。

それは、子供の大好きなカレーで発生することがありす。

でも安心してください、家庭のカレーで発生した事例はあまりありません。

しばしば、カレーを大量に調理する環境で発生することがあるのです。

カレーに限らず、シチューや肉じゃがなどの煮込み料理の大量調理で起きやすいのです。

食中毒の症状は、水様性の下痢・軽い腹痛です。

ウェルシュ菌とは

ウェルシュ菌は、土や水の中、健康な人や動物の腸内など、幅広く生息しています。

特に牛・鶏・魚が保菌していることが多いので注意が必要です。

ウェルシュ菌は空気が嫌いな細菌です。

粘性の高い煮込み料理を寸胴鍋で作ると、鍋底の酸素濃度が低くなります。

これはウェルシュ菌の好きな状態で、酸素の少ない”鍋底”近くでは増殖します。

ウェルシュ菌は”芽胞”を一度作ってしまうと、通常の加熱では死滅しません。

鎧兜をかぶって、じっと自分に都合の良い環境になるのを待っているのです。

ウェルシュ菌は加熱調理しても、耐熱性の芽胞は生残こっています。

調理後の冷却とともに発芽し、食物中に急激に増殖します。

そして、食物とともに腸管に達した時に、また芽胞を形成するのです。

見た目だけではわかりませんが、このときに毒素であるエンテロトキシンが作られます。

エンテロトキシンが腸管粘膜細胞に作用して食中毒の症状が発症するのです。

芽胞とは
ウェルシュ菌とセレウス菌は、生存に適さない環境(高温、乾燥、栄養状態の悪化など)になると菌体内に芽胞という硬い殻の構造物を作って休眠します。芽胞と作ってしまうと煮沸や冷凍処理、乾燥、アルコール消毒などの過酷な条件下でも完全には死滅せず生き残ります。芽胞を死滅させるには、例えば180℃で30分間以上加熱などという通常の細菌の場合よりも厳しい滅菌条件が求められます。芽胞の状態のままで菌が増殖することはありませんが、環境が生存に適した状態に変化すると、芽胞から菌が発芽し、再び活発に増殖を始めてしまいす。

実例:こうして発症した食中毒

6月上旬、ある大学から病院に連絡がありました。

「大学内の学生食堂でカレーを食べた学生の多くが食中毒症状を呈している」

保健所が調査すると、学生食堂でカレーを食べたのは113名でした。

うち98名に食中毒の症状が出ていました。

食べた日の午後から翌日の昼にかけて腹痛や下痢、発熱等の症状が出たのです。

カレーの残品はありませんでしたが、患者の便からウェルシュ菌が検出されました。

患者らの共通食は、学生食堂のカレーだけでした。

それで、カレーを原因とする食中毒と断定されました。

おこった原因

この施設では、前日の午前中に2日分のカレーを調理しています。

調理したカレーの半分は湯せんしながら当日に販売。

残りの半分はそのまま室温で放置していました。

夕方、放置したカレーと販売したカレーの残りをまぜて、冷蔵して一晩保管していました。

翌日の朝、カレーを再び加熱し、その後、再び昼食用に湯せんで温めて提供されました。

以上から、カレーに付着したウェルシュ菌が増殖に適した温度に長い時間置かれていたため、ウェルシュ菌が増殖して食中毒に至ったと考えられました。

二日目のカレーは美味しい?

よく「カレーは一日寝かした方がコクが出て美味しい」と言われます。

味が馴染む?熟成する?本当にそうなのでしょうか?

カレーで有名なグリコさんのホームページでは下記のように説明しています。

1.具材のもつ旨み成分や甘み成分がソースに溶けだしてコクが増します。

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肉・野菜・香辛料に含まれる糖質やタンパク質、アミノ酸などの成分が微妙に絡みあうことで、独特の「コク」が生まれます。

2.ブイヨンも一晩ねかせることで「冷ます」と「温める」が繰り返されるので、素材の旨み成分がよく混ざりあい、熟成が進みます。

3.カレーのスパイスは、じっくり余熱で加熱されることで、突出したとげとげしさが減少し、

全体のバランスがとれた、熟成された奥深い香りと風味になります。

そうなんですね、本当に美味しくなるのですね。

カレーを一晩寝かせる危険性

確かに、カレーは一晩寝かせれば美味しくなります。

しかし、そこには危険性もはらんでいるのです。

そうでうです、ウェルシュ菌です。

空気が嫌いで、熱にも強いウェルシュ菌がカレーの中にいれば食中毒の危険性があります。

しかし、家庭で作る分量のカレーでは、まず起こりません。

家庭で作ったカレーの作り置きで食中毒になっていれば、ニュースネタですね。

マスコミが大袈裟に報道するでしょう。

だからといって安心はできません。

カレーの中のウェルシュ菌は確実に増えているはずです。

ただ、食中毒に至るまでの数まで増殖していないだけなのです。

どうすればいいの?

家庭で作ったカレーではそう問題はないですが、気になりますよね。

そんな時には、残ったカレーをすぐに冷やせばいいのです。

粗熱が取れたら 鍋ごと冷蔵庫で保存すれば、美味しく食べられます。

また、量が多ければ、1人分ずつ ジップロック容器などに小分けして 冷蔵庫保存です。

2〜3日は大丈夫なはずですよ。

また、じゃが芋を入れなければ比較的安全と言われています。

ウェルシュ菌はじゃが芋に多くいるそうです。

具を含まないカレーソースにして、じゃが芋や野菜などを別で茹で、トッピングにします。

レンジでチンでもいいのですが、これはちょっと手間ですね。

カレーよりシチューとかスープの方が足が速いらしいです。

潔癖症の人のために

ウェルシュ菌が居るのは嫌だと、気になる人には滅菌方法をお教えします。

完璧に殺せるわけではないですが、かなり効果があるはずです。

芽胞はウエルシュ菌が増殖に適さない状況となった際の防御体制です。

芽胞形成後、条件がそろえば発芽し栄養細胞となり増殖をはじめますが

この栄養細胞は熱に弱く65℃で数分で死滅可能です。

ウェルシュ菌が増殖できなくなる環境は、栄養素が乏しく、水分が使用できない、高温な環境、酸素がある状態です。

高温、有酸素状態とは、過熱時に良くカレーをよく攪拌することです。

つまり、カレー製造時に芽胞を形成するのです。

その後、カレーの温度が下がりが冷め、空気が抜けた状態が続けば、菌は発芽します。

その時に、再び栄養細胞となり熱に弱い状態になります。

この栄養細胞になった時に加熱すると、一気にウェルシュ菌の菌数が下がります。

さすがに一度だけの加熱では完全には死滅させられません。

これを数回繰り返すことで、ほとんどを死滅させることができるはずです。

これは昔の滅菌法で、医療器具などや培養器具の滅菌に採用されていました。

今のように設備充実していない時代に行われた方法です。

この方法は、ウェルシュ菌食中毒の防止対策の基礎となっているものです。

スープ、カレーなどを大量に調理した時は、食べる前に必ず中心までしっかり加熱する。

すると、簡単に菌数が下がり食中毒の危険性はなくなります。

まとめ

ウェルシュ菌の食中毒は家庭で作るカレーなどでは、まず起こらない。

しかし、大量に作り大量に保存する時には注意が必要です。

二日目のカレーは美味しい。

それを美味しく食べるために、食中毒の知識も知っておきましょう。

よく問題になるのは、素人がお祭りやバザーで大量調理する時です。

その辺を知らないので、家庭の延長で料理をすると、事故が起こりますよ。

食品安全委員会の資料を添付しておきますので、参考にしてください。

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