国際度量衡委員会とは重さや長さなど測量の基準に関する取り決めをするところです。
2018年11月に行われた国際度量衡委員会の会議で、キログラムの単位が変わることが決まりました。
その会議は世界の科学者18名からなる国際度量衡委員会のメンバーの会議です。
2019年の5月から1kgの定義が変わりました。
そうです、日本では奉祝新天皇の御代になったのと同じ時期です。
今回の会議では、重さの単位だけではなく、電流の単位(アンペア)、温度の単位(ケルビン)、物質の量の単位(モル)なども変更されることに決まりました。
キログラムの単位はどう変わる?
1キログラムの重さが国によって違っていたら困ります。
世界中、どこの国にいっても同じでなければいけません。
時間とか長さ、重さなどは、世界共通で決められています。
ただし、長さや時間の決め事は、科学の進歩にともない、より正確なものに見直されます。
2019年5月までの定義は、国際キログラム原器の重さによっていました。
ところが、この原器の重さが、変わってきているのです。
1988年、原器を洗浄したところ、0.06ミリグラム軽くなっていました。
原器の重さが変わると、1キログラムの重さが変わってきます。
そこで、重さについて、正確なものにしようと、原器は廃止にしました。
昔は?
昔の1キログラムの定義は、水の重さで決まっていた。
1795年に決められたのは、温度が0度の水1リットルの重さを、1キログラムとしました。
ところが、水は、気圧、つまり周りの空気の力によって、重さが変わることがあります。
このため、1kg=水1リットルとすると、場所によって、重さがかわってしまいます。
そこで、1799年、水1リットルと同じ重さのプラチナのかたまりを1キログラムとしました。
これが、キログラム原器のはじまりです。
1889年、キログラム原器は、新しいものに置き換えられました。
新しい原器は、直径およそ39ミリ、高さおよそ39ミリの円柱形でプラチナとイリジウムをまぜたものです。
このキログラム原器は、フランスのパリにある国際度量衡局(こくさいどりょうこうきょく)
で、大切に保管されています。
また、40個のキログラム原器を複製(ふくせい)し、世界中に配りました。
日本には、複製された原器のうち、6番と30番がつけられたもの現存します。
その後新しいものを購入して、今の日本には、4つのキログラム原器があります。
これらは、茨城県つくば市にある産業技術総合研究所(さんぎょうぎじゅつそうごうけんきゅうじょ)に、保管されています。
複製された原器は、およそ40年ごとに、フランスにある本物の原器と重さ比べをすることに
なっています。
ちなみに、日本の原器は、本物の原器と比べて0.176ミリグラム重くなっているそうです。
キログラム原器は時がたつにつれて、原器にいろいろなものがくっついて、少しづつ重くなっていまそた。
そこで、キログラムの新しい定義を作ろうと、研究が進められてきました。
そして、5つの国の研究機関が、ついに新しい方法を発表しました。
新たなキログラムの定義は
既知の同じ原子をある数だけ集めて、原子何個分ということでキログラムを実現しました。
今までは『国際キログラム原器』を基準にしていた。
新しい定義だと、たとえば『シリコンの原子何個分が1キログラムです』と言えるようになります。
より普遍で再現性のある時代になった
人類が文明社会を維持するタイムスパンであれば、原子は不変といえます。
現在は、原子の数を決めてしまって、数を集める技術を人類は獲得しています。
これは、130年前にはなかった技術です。
科学が進んだことによって単位が変わって、それを実現する手段を我々は持地ました。
絶対変わらない基準、もし何かの不注意で壊しても全く同じものを作れます。
2019年の5月以降は新時代になったのです。
まとめ
世の中には変わらないものは何一つないといいます。
絶えず変わり続けていくのです。
そんな中で人類の最先端の叡智を結集して、時代に即したものにしていく。
時代が進めば、より正確な1kgが出現するかもしれません。
世の中でたった一つだけ変わらないものがあるそうです。
それは「世の中は絶えず変わり続ける」事だそうです。