我が国の山岳信仰の始まりは、役小角に始まると言われてます。
役小角は奈良時代初期の修行者で、霊力バツグンの人物です。
マンガの「宇津の皇子」や「孔雀王」のモデルと言われます。
目次
修行者、役行者(役小角)とは?
役小角は呪術の力を妬まれ、讒訴され伊豆の大島に流されます。
そして、役人が処刑をしようとしますが、刀がアメの様にぐにゃぐにゃになり処刑できません。
それで、偉大な聖人であるに違いないと朝廷から許されるのです。
彼は大島に桜を植え、大和に帰っても吉野一帯に桜を植えます。
現在、吉野が桜の名所になっている由縁です。
吉野では蔵王権現をお祀りしています。
蔵王権現は役行者が祈りに祈った末に現れたメイドインジャパンの御仏です。
こうして始まった山岳信仰の延長線上に、熊野三山の信仰があります。
熊野三山とは
通常、熊野本宮大社、熊野速玉大社、熊野那智大社を合わせて、熊野三山と言います。
この中で私が最も好きなのが、熊野本宮大社です。
那智の滝も捨てがたいですが、厳粛で潤いのある山中にある本宮大社が良いですね。
現在の本宮大社は、「大斎原」(おおゆのはら)の北500メートルのところにあります。
5月の連休に熊野本宮大社に行ってきました。
熊野古道や湯屋でも有名ですよね。
皇太子殿下の秘策
もうすぐ天皇に即位される皇太子殿下が雅子妃を射止める時に行かれました。
「一眼成就の熊野本宮大社の神様にご祈願した。」という噂があります。
当時「皇太子殿下熊野古道を散策」のニュースが流れていました。
これは表向きであり、一願成就の熊野の神様に御成婚をお願いに行ったのかもしれませんね。
古来より「蟻の熊野詣」「伊勢に七度 熊野に三度」と言われ、
庶民の願望であり、霊験あらたかなところなのです。
それだけ明白なご利益があったのでしょう。
熊野本宮大社の来歴は古く、創建は崇神天皇の時代(BC33年?)と云われています。
主祭神は家都美御子大神(けつみみこのおおかみ)です。
一遍上人と熊野
熊野大神(素盞鳴尊)、本地は阿弥陀如来だそうです。
本地垂迹説で、仏界では阿弥陀如来様となっています。
鎌倉時代に一遍が、ここ熊野本宮で熊野権現から、衆生済度のため
「信不信をえらばず、浄不浄をきらはず、その札をくばるべし」
との夢告を受けられたそうです。
この時から一遍と称し、念仏札の文字に「決定(けつじょう)往生/六十万人」と追加します。
これをのちに神勅相承(熊野権現のお告げによって立宗したこと)として、「時宗」開宗のときとします。
ここから仏教の「時宗」が始まったのですかね。
明治までの社地
現在の社地は山の上にあります。
明治22年の大洪水で流されるまでの社地は熊野川の中州にありました。
現在の大鳥居があるところです。
しかし、明治以後の山林の急激な伐採により山林の保水力が失われました。
そして、大規模な洪水で、旧社地の社殿は流されてしまいました。
現在、旧社地の中州は「大斎原」(おおゆのはら)と呼ばれ、日本一高い大鳥居(高さ33.9m)が建っています。
八咫烏、舞い降りし甦りの聖地
八咫烏は、日本神話において、神武東征(じんむとうせい)の際、高皇産霊尊(タカミムスビ)によって神武天皇のもとに遣わされました。
そして、神武天皇を熊野の国から大和の橿原まで案内したとされています。
その故事に習い、八咫烏は導きの神として信仰されています。
また、太陽の化身ともされています。
熊野三山においてカラスはミサキ神(死霊が鎮められたもの。 神使)であり、熊野大神(素盞鳴尊)に仕える存在として信仰されています。
熊野本宮大社の故事来歴をよく勉強して参拝すると、ご利益も一段とあるらしいですよ。
奇跡、神秘体験!
知り合いのお爺さんは、その霊験を目の当たりにしたそうです。
会社経営の友人から、絶体絶命の倒産の危機の相談を受けました。
迷わず熊野本宮に参拝に行くようアドバイスしたそうです。
爺さん本人も、似たような窮地を救ってもらっているので、確信して勧めました。
しかし、その友人は信じてなかったのです。
だから熊野には行ってませんでした。
もう後1日で不渡りを出すという日に、爺さんは本人を連れて熊野本宮へ行きました。
共に必死で御祈願したそうです。
祈願を終えてしばらくすると、その友人に電話がありました。
なんと、電話は別れた奥さんからだったのです。
なぜか心配になって、電話をかけて来たそうです。
顛末を話すと、別れた奥さんがお金を貸してくれることに…。
目出度く、倒産を免れたのです。
信じられないような実話です。
絶対的な確信を持って、お願いすれば一願成就するのです。
しかし私は、せっかく、はるばると熊野に行ったのだからと、数多くのお願いしてしまいました。
失敗しました、一つに絞るべきでした。
今回は、それで証が出てないのでしょうか? (笑)
私の深刻な問題も解決?
私も以前、夫婦関係険悪な折、実はお願いしました。
妻とはここ10年間は、まともに会話したことがなかったのです。
その間は、子供が間に入り通訳をしていました。
熊野参拝にやけくそでいたしましたよ。
なんと、奥さんの機嫌が良くなるという証が、キッチリありました。
今回は、息子と二人で、妻は置いてきたのです。
また夫婦の危機なのです。
助けてください、熊野の神様〜!
一願成就ですから、必死の思いで願えば、事が成就するんですよね。
余談です
ある高名な霊能者さんに聞いた話です。
信じる信じないは、お任せします。
エピソードとしては面白いです。
熊野の神様は、不浄の輩も救ってくれます。
それを悪用する様なことがあったそうです。
一人の男性が恋愛問題でご祈願に来ました、神様は取持ったそうです。
しかし、その彼女とは、男性の性格が災いし破局しました。
彼は懲りずに、またお願いにきたのです。
神様は優しいから、また別のご縁を取持ったそうです。
しかし、また破局します。
こんな事が3回くらい続きました。
その話は、その霊能者の耳にも入りました。
それでは男性は良いだろうが、女性があまりのも可愛そうです。
そこで彼は熊野の神様に直談判したそうです。
「一眼成就で願いを叶えてくれるのは嬉しい事ですが、
みすみす、女性が不幸になる様な縁は結ばないで下さい。」
それに対して神様は、
「これからは、そうする」とのご返事だったそうです。
このエピソードから、大変優しい神様である事が分かります。
恋愛問題については、大変大らかな様です。
悪用してはいけませんが、高嶺の花にアタックするには良いかもです。