ハロウィンは外国の習慣ですが、今や日本にもすっかり定着しています。
宗教的なものとしてではなく、楽しいイベントとして企業が推進していました。
しかし、2010年くらいから様相が変わってきていると感じませんか?
以前は、今のような過激なお祭り騒ぎではなかった。
近年は、渋谷の騒ぎでわかるように、相当過激なお祭りになっていますね。
なぜ近年ハロウィンが全国的に、お祭り騒ぎになったのでしょうか?
原因はUSJにあると思うのです。
KissFM
神戸のラジオ局にKissFMがあります。
そこで毎日曜日に辛坊治郎のSunday kissという番組があります。
9月の放送で、ゲストにUSJをV字回復させた張本人、森岡毅氏が来ていました。
森岡毅氏はUSJをV字回復に導いた人物です。
森岡毅氏は兵庫県伊丹市の出身で、神戸大学経営学部出身のマーケッターです。
大学を卒業後、神戸にあったP&Gジャパン・マーケティング本部に就職しました。
ヴィダル・サスーンなどのヘアケアブランドのブランドマネージャーを歴任、
P&G世界本社へ移籍、
ネガブランド北米パンテーンのブランドマネージャー、
東北アジアのアソシエイトマーケティングディレクター、
ウエラジャパンの副代表などを歴任します。
2010年6月にP&Gを退社し、USJにヘッドハンティングされ入社します。
P&G時代のことは、この著書に詳しく書かれています。
これは彼の子供達のために書きためていたものです。
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出版経緯
森岡毅氏はある出版社からの執筆依頼を受けていたのです。
出版社の担当者としては、少しは進んでいるだろうと期待していたのですが…
全く進んでいなかった。
そこで、こんな原稿ならあるけどと出してきたのがこれです。
社会人になる子供達のために書き溜めていたのです。
差し出したところ、編集者は食い入るように読み魅了されてしまいました。
もちろん多少は手を加えたそうですが、本になってしまいました。
子供達だけでなく、社会人にも大きな感動を与えるものでした。
USJの話
USJは大阪市の第三セクターとして開業しました。
初年度こそ来場者数1100万人でしたが、2年目には800万人を割り込みます。
3年目に持ち直しますが、そこからは800万人を行ったり来たりです。
初めこそよかったもののその後は700万人から900万人の間を低迷します。
USJを役人が社長を務めて成功させるのは難しかったのです。(辛坊さんの話)
外資系資本に乗っ取られる形で、経営母体が変わります。
当時のCEOグレンガンペル氏によってヘッドハンティングされのが森岡氏です。
P&Gの圧倒的な実績が認められ、USJ再建の切り札として送り込まれてきたのです。
狙いはハリーポッター
大赤字のUSJを立て直すには、何か大きなイベントが必要です。
森岡氏は小説や映画で大ヒットしているハリーポッターに着目しました。
緻密なマーケット分析を進め約400億円の投資ができれば成功する確信を得ます。
大赤字のUSJにとって、この400億円は途方も無い金額です。
彼は一年かけてCEOグレンガンペル氏を説得したと言います。
しかし、ハリーポッターはすぐにできるものではありません。
順調にいって2014年に新設される計画です。
それまでの間は、お金をかけずに集客アップを計らないといけません。
お金をかけずに集客を増やす
森岡氏が目をつけたのが10月のハロウィンです。
ハロウィンの催し自体は、キティーらんでもディズニーランドでも行われていました。
しかしそれは、若年層の子供達が喜ぶものでした。
森岡氏は海外生活も長かったので、外国のハロウィンも知っています。
ハロウィンの暗黒の部分をクローズアップしたのです。
ターゲットはストレスを溜めやすい日本女性です。
本格的なゾンビに襲われて、大声で叫ぶ爽快感によるストレス解消、
抑圧する毎日から脱却する仮装、見事に狙いが的中しました。
USJでのハロウィンホラーナイトは大成功です。
このことにより、ハロウィンの知名度がより上昇したのです。
まとめ
ハロウィン自体は、早くから商業用として日本に導入されていました。
それはグッズ販売などを伴うもので、日本人が共感したものではありませんでした。
しかし、USJのハロウィンホラーナイトは、自分を解放してくれるものとして受け入れられたのです。
大人の仮装、大人のハロウィンとして日本独自の文化になっていったのです。