福島原発事故の汚染水が危機、タンクを設置するスペースがない!どうするの?

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神戸のラジオ局Kiss FM神戸におきまして、辛坊治郎氏の番組があります。

日曜日の夜にもかかわらず多彩なゲストがいらっしゃる、面白い番組です。

今回は京都大学名誉教授の原子力の権威、高橋千太郎元教授でした。

今回の話題は、現在の福島原発の汚染水処理についてです。

福島原発の敷地内に汚染水を貯めるタンクの設置スペースが無くなってきているのです。

これは、テレビや新聞にも取沙汰されている問題です。

そこで原子力のスペシャリスト高橋元教授にお話を聞くのです。

しかし放射能汚染については、聞く人の知識レベルによって見解が異なります。

番組には美人アシスタントが2名いてますが、、原子力に関しては素人です。

辛坊さんは高橋先生と共著の本を出しているくらいですから、ある程度詳しいです。

福島の汚染水

先般、大阪市の松井市長が「大阪湾に流したらいい」との発言が注目されているのが、

トリチウム汚染水です。

もちろん、松井市長は安全だと確信しているから出る発言なのですが…。

いくらなんでも、閉鎖された瀬戸内海に流さなくてもいい思いますが。

福島原発の目の前は太平洋です。

太平洋に流せればいいと思うのですが、なかなかそうもいきません。

地元の反対には、理解できます、政府や東電の言うことに不信感と憤り、不安があるから。

福島第一原子力発電所は、枯れた川や沢といった地下水脈の上に建設されています。

すべての原子炉が地下水脈をせき止める形で建設されているのです。

かねてから、井戸からの汲み上げによって地下水対策をしていたのです。

福島第一原子力発電所事故後、構内の地下水汲み上げ井戸が機能を失いました。

それで大量の地下水が流入することとなります。

流入した地下水は原子炉炉心由来の放射性物質で汚染され、放射能汚染水となります。

そこで、汚染水はタンクに貯められ拡散しないように対策しているのです。

この汚染水には、当初、主としてトリチウム(三重水素)、セシウム137、ストロンチウム90、ヨウ素131といった放射性核種が多く含まれていました。

強い放射能を持つ短寿命核種は、時間とともに消滅していきました。

2013年以降は多核種除去装置(いわゆるALPS)などによりトリチウム以外の核種は除去しました。(基準値以内になったという意味です。)

今は、ほぼトリチウムだけ残った廃水貯蔵タンクだけが増え続けています。

タンクの大きさは直径12メートル、高さ12メートルで、1日から10日で満杯になります。

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トリチウムとは?

自然界に最も多く存在する「普通」の水素は、原子核が単独の陽子から成る軽水素(1H)です。

原子核が陽子1つと中性子1つから成る重水素(2H)も安定核のため豊富に存在します。

しかし、トリチウム(三重水素)は不安定なため天然には微量しか存在しません。

トリチウムは、水素の放射性同位体ですので水素とほぼ同じ化学的、物理的性質を示します。

ですから、トリチウム水となり、水と分離することがとても難しいものなのです。

またトリチウムはこの事故がなくても、原子力発電所では常に発生しているものです。

原子力発電所では原子炉を冷やすために、冷却水を用います。

そこに原子炉で発生した中性子が冷却水にぶつかり、水がトリチュウムになるのです。

中性子とは

中性子の特徴は金属などは透過することです。

逆に水などは透過しにくいという性質をもっています。

中性子は原子核を構成する粒子のうちで無電荷の粒子の事です。

質量数は原子質量単位で約 1.00867 u、β崩壊を起こし陽子となります。

原子核は、陽子と中性子と言う2種類の粒子によって構成されています。

核分裂によって発生した中性子は非常に大きなエネルギーをもち、非常に高速です。

(光の速度の 10 分の1程度)

鉄や鉛を通過してもなかなか減衰しません。

中性子を遮蔽するためには、水などの水素をたくさん含む物質が有効です。

何回も衝突を繰り返し、中性子のエネルギーが下がると、周囲の温度と平衡状態となり中性子は原子核に吸収されやすくなります。

中性子を吸収した原子核は多くの場合、放射能をもつようになります。

放射能の基礎知識

放射性物質の放射能を示す単位はベクレルと言います。

1ベクレルは1秒間に1個の放射性壊変をする放射性物質の量を表します。

壊変(崩壊)とは、原子核が不安定な状態から、放射線を出して別の原子核または安定な状態の原子核に変わっていく現象です。

トリチウムが崩壊するとヘリウムになります。

放射線(β壊変)

β-崩壊で放射されるβ-線(電子)は、原子核内部から放射されたものです。

原子核を取り巻く電子が飛び出してくるのではありません。

この電子は中性子から生じたものです。

中性子から負電荷を持った電子が放出され、残った中性子は正電荷を帯びて陽子になります。

さて、中性子が陽子に変化し、原子番号が一つ増えた別の原子になります。

β-崩壊とは原子番号が1つ大きい原子に変わる原子核崩壊なのです。

なお、β-崩壊を起こしても質量数は変化しません。

β-崩壊時に原子核から放出されるのはβ-線だけではなく中性の素粒子も同時に放出されます。

吸収線量:グレイ(Gy)

物質がどれだけ放射線のエネルギーを吸収したかを表す量です。

1Gyは物質1kg当り、1ジュールのエネルギー吸収を与える量。

単位としては,その100万分の1を意味するマイクログレイ(μGy)、10億分の1を意味するナノグレイ(nGy)が通常よく使われます。

線量:シーベルト(Sv)

放射線が人体に及ぼす影響を含めた線量です。

線量=吸収線量×放射線荷重計数×(組織荷重計数)

放射線が生物に及ぼす効果は、放射線の種類やエネルギーによって異なります。

単位としては、その1,000分の1を意味するミリシーベルト(mSv)、100万分の1を意味するマイクロシーベルト(μSv)が通常よく使われます。

シーベルトというのはガンになりやすい尺度と考えればいいそうです。

この基準は過去の原子力被害で人体がどうであったかを精査してはじき出したものです。

その結果、人体に影響が出る限界が200ミリシーベルトらしいです。

そこで、安全性を考えて100ミリシーベルト以下であれば、影響は少ないと考えられ、

線量限度の基準になっています。

人生100年として、毎年1ミリシーベルト以下の被爆であれば健康に問題ないだろうというものです。

放射線に関しては北電のホームページに詳しいですのでリンクを貼っておきます。

紫外線で考えるとわかりやすい

紫外線は絶えず降り注いでいます。

多く浴びると日焼けなどの炎症を起こしますし、がんの発生原因にもなります。

かといって、紫外線を浴びることでヴィタミンDの生成を促します。

トリチウムも自然界に存在し、日本人では2ミリシーベルト毎年浴びているそうです。

世界中の平均は2.4ミリシーベルトです。

インドやイランでは10ミリシーベルトとか20ミリシーベルトの地域もありますが、がんの発生率は高くありません。

ラジウム温泉や花崗岩の近くで生活をすると受ける線量は高くなるそうです。

ラジウムはもとより花崗岩も放射線を出しているので、銀座の石畳の上で寝起きすると高い線量を受けるそうです。

まとめ

トリチュウム水のことを正しく理解すれば海洋投棄は問題がないのです。

しかし、住民の不安な感情、風評被害などを考えれば、一概に海洋放出とは言い出せません。

まして政府や東電の不誠実さがそれに拍車をかけているように感じます。

高橋元教授のお話では、人の不安な感情などを含めた基準も必要になってくる。

科学者は科学的に、ガンになりそうな限界をはじき出すが、人の感情も含めての何らかの基準が必要であろう。

それは科学者ではなく社会学者、政治家などの分野になるのではないかとのことです。

福島のタンクに溜まった大量の汚染水は、薄めて海に流せれれば一番いいのですが、

いざ、我がごととなると躊躇します。

かといって、タンクを置くスペースは2から3年後には無くなってしまうのです。

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