南天の毒々しい赤い実や葉の薬用効果を先人達は知っていた

梅雨の頃、散歩していると目につく白い花があります。

すらりとした茎、上に葉とたわわな花です。

秋に、毒々しい赤い実をつける南天(ナンテン)です。

裕福なお家の南天は赤い実をたわわにつけ立派です。

我が家の南天は貧そです。

裕福になったら赤い実がたわわに実るのかなと漠然と信じていました。

どこの家でも南天を植えているのか疑問でした。

調べてみると縁起を担いで植えているようです。

南天を植えて幸福になれば言うことなしですよね。

南天は「難を転ずる」縁起木で、その赤い実は正月飾りに利用しています。

梅雨に花穂を伸ばして白い花を多数つけ、秋には実が毒々しい赤に熟します。

実が黄白色の「シロナンテン」など品種も豊富にあるようです。

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南天とは

南天は、メギ科ナンテン属に属する常緑性の木本植物です。

樹高1~3mの低木、実は直径7mm程度の赤色で、葡萄の房状につきます。

葉は互生で、3枚ずつ葉をつける複葉になっています。

日本では、東海道から近畿以西の本州、四国、九州などの暖かい地域に自生しています。

幹は、あまり太くならず、束になって株立ちしています。

葉は3~7cmくらいで、枝先に集中して対生します。

6月頃、枝の先に6枚の花弁と6本の雄しべをもった小さな白い花が多数咲きます。

11、12月頃になると、果実は丸く赤色に実り、その直径は7mm位になります。

この毒々しい赤色に薬効を感じるんでが、思い込みですかね。

なお、「シロミナンテン」は果実が白くなりますよ。

南天と言うからには、白い実だとなんか物足りない感じもします。

    • 分類:常緑低木
    • 学名:Nandina domestica
    • 漢字:南天
    • 科名:メギ科
    • 属名:ナンテン属
    • 原産地:中国

果実は咳止めに、葉は強壮薬になったり昔から漢方薬として使われてきました。

また、赤飯など食べ物の上に葉を添えて毒消し代わりする習慣がいまでも残されています。

果実にはアルカロイドのドメスチンやイソコリジンなどが含まれ、ドメスチンには知覚神経や末梢神経を麻痺させ、心臓の運動を抑制する作用がある。漢方では止咳の効能があり、咳嗽や喘息に用いられる。葉から研究されて開発されたトラニラストは抗アレルギー薬(リザベン)として利用されている。

http://www.nagaoka-med.or.jp/yakusou/nanten.htmより抜粋

南天は吉祥の縁起木

「難を転じて福となす」の「難転」から、音が一緒なためナンテンという名前がつきました。

「難を転じて福となす」の「難転」からで、盗難除け・魔除け・火災除けの役目があります。

「難を転ずる」ナンテンは昔から吉祥の縁起木として重宝されています。

花言葉は「深すぎる愛」「良い家庭」など良い意味です。

正月飾りにはナンテンの赤い実が使われ、「難を転ずる」ので厄除けを意味しています。

また、めでたい時、赤飯の上にナンテンの葉を添えるのは、防腐目的の役割をしています。

南天を配置する位置

風水の観点から考えると、「鬼門」の方角に南天を植えると大吉になります。

鬼門とは「鬼の通り道」で北東の方角で、裏鬼門と反対の方角(=南西)のことです。

鬼門を犯すとどえらい不幸に見舞われると言われる方位ですよ。

「難を転じて福となす」から、鬼門のある北東方向にナンテンを植え、禍を回避しようとするものなんです。

迷信かもしれませんが、昔から言われています。

南天の名称由来

中国では古来、「南天燭」「南天竹」「南天竺」などの名前で呼ばれております。

それで、日本名の「南天」は、中国での名称を簡略化したものです。

ちなみに、南天燭の「燭」は、南天の実が「燭(ともし火)」のように赤位から、

南天竹の「竹」は株立ちが竹に似ているからだそうです。

南天の英語名は、「Sacred bamboo」「Heavenly bamboo」といいます。

南天には、何か神秘的なイメージが感じられますね。

日本に伝来

南天は、平安時代に薬用、観賞用として中国から伝来しました。

鎌倉時代の記録にも見られ、藤原定家(ふじわら の さだいえ)は、

「寛喜2(1230)年、中宮権大夫(ちゅうぐうごんんのだいふ)が前栽(ぜんさい)に植える」

と『明月記(めいげつき)』に記しています。

『金閣寺の「有佳(せっか)亭」には、南天の床柱が使われた』との伝承があります。

生け花の伝書である『仙伝抄(せんでんしょう)』にも南天が取り上げられています。

江戸時代には園芸品種が作出され始めています。

旗本・水野忠暁(みずの ただとし)が著した植物の図説集『草木錦葉集(そうもくきんようしゅう)』には、41の品種が載っています。

漢方の生薬

南天の実は、咳止め効果の高い生薬として、古くから利用されてきました。

南天の果実、葉、茎、根が生薬となります。

果実を乾燥させたものを「南天実」と呼び、「o-メチルドメスチシン」が含まれてます。

この「o-メチルドメスチシン」は咳やのどあれに効く作用があるそうです。

また、お赤飯に南天の葉を添える習わしは、単に彩りや縁起物としてだけではありません。

葉に解毒作用や殺菌・防腐作用があることから取り入れられた先人の知恵なのです。

文様の世界

「難を転ずる」の語呂だけではなく、その薬効にちなんで、文様の世界でも吉祥文として取り入れられるようになりました。

着物や帯のモチーフに使われることもあります。

枕の下に南天の葉を敷いて眠ると、悪い夢を見ない、という言い伝えも残っているそう。

お正月には忘れずに南天を飾り、難を転じて、福を呼び込んでみませんか?

南天の毒

南天には

ナンテニン 、ナンチニン 、メチルドメスチン 、プロトピン 、イソコリチン 、

ドメスチシン 、リノリン酸 、オレイン酸 等

の毒が含まれます が、多量に摂取しなければ大丈夫といわれています。

葉に含まれるシアン化水素は猛毒です。

しかし、含有量はわずかであるために危険性は殆どなく、逆に食品の防腐に役立つそうです。

このため、彩りも兼ねて弁当などに入っている事が多いのです。

食あたりの「難を転ずる」というまじないの意味もあるそうです。

咳や喉の痛みに

ナンテンは漢方では咳止めに良いとされています。

アセトン、シアネイト、タンニンという成分が含まれており、殺菌作用、防腐作用があります。

そのため、慢性的な咳、百日咳、喘息、のどの痛みに効果が期待できます。

果実を煎じて咳止めに、へんとう炎には葉を煎じた液でうがいをすると良いでしょう。

市販ののど飴などにも利用されています。

南天のど飴ご存知ですか?

虫さされ、食中毒など毒消しに

蜂などの虫に刺されたときには、生の葉を良くもみ、その汁をつけることで痛み止めになります。

食中毒や乗り物酔い、酒の悪酔いの際には、ナンテンの葉をよく噛むとよいとされています。

頭痛、リウマチなどの痛み止めに

ナンテンの根を煎じて飲むと、頭痛、黄疸、リウマチ、疲労筋肉痛などの痛み止めに効果が期待できます。

湿疹やかぶれに

乾燥させたナンテンの葉をお風呂に入れると湿疹やかぶれの改善に効果が期待できます。

南天の生薬

南天実(ナンテンジツ)

完熟した果実を天日で十分に乾燥させたもので、鎮咳、解熱に効果的です。

南天葉(ナンテンヨウ)

葉を8~9月に天日干しにしたもので、鎮咳、解毒に効果的です。

まとめ

昔は家々に南天を植えていた理由がわかったようの気がします。

単に縁起を担ぐだけでなく、薬用の効果も期待していたんですね。

現在は衛生管理が発達しているので、お世話になることはないと思いますが、

縁起の所だけは、お願いしたいと思いますね。

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