有馬温泉は草津温泉・下呂温泉と並ぶ日本三大名湯のひとつです。
有馬温泉には守護神として祭られている湯泉神社があり、古来から人々に親しまれてきました。
現在の有馬温泉の繁栄は豊臣秀吉の加護によるものと云われています。
有馬温泉の歴史は、日本書紀にまで遡り、泉源は大己貴命(おおなむちのみこと)と少彦名命(すくなひこなのみこと)の神により発見された事になっています。
温泉の泉質は全部で9種類あり、有馬温泉は内硫黄泉と酸性泉以外の7つの泉質から成る温泉地で、これは珍しいことなのです。また有馬温泉は、環境省によって療養泉として指定されています。
有馬温泉の秘密
通常、源泉は地中に溜まった水分が火山のマグマの熱によって温められ、それが湧き出たことにより生まれます。しかし有馬温泉の周辺には、火山がありません。だから、どのようにして源泉が生まれたのか、長い間解明されていませんでした。
火山がない有馬温泉は、地下にあるフィリピン海の海洋プレートが源泉のカギを握っています。有馬温泉で湧出している水は、フィリピン海プレートがユーラシアプレートに沈み込む際に取り込まれた海水と考えられます。その海水がマントルの上部から吹き上がることで源泉が生まれたそうです。
また、この湧きだしている海水は600万年以上前のものと推定されています。
つまり、有馬温泉に行けば600万年以上前の温泉水に出会えるのです。
有馬温泉には、三人の恩人がいる
飛鳥時代、舒明天皇や孝徳天皇が行幸し、有馬は有名になりました。
その後、衰退しましたが、行基が天啓を受け、有馬温泉を復興しました。
1097年に有馬で洪水が起こり、温泉が壊滅状態になった時には、仁西(にんさい)が救いました。仁西が温泉を修繕し、12の宿坊を営んだと云われています。
<<有馬に伝わるお話>>
時は承徳元年の秋、鈍色の雲厚く六甲の山々に蓋をなし、黒風白雨は幾日ぞ。風神咆哮雷神爛々、雲龍は逆巻きて嵐を起こし、天の狂乱大地に響きて大樹の根を揺るがす。斜面は崩れ谷は埋まり家々は山津波に呑み込まれ、泉源土砂に溺れ湯は湧きもせず注ぎもせず。天皇貴族の覚えめでたき天下の名湯は土中に没し、有馬の栄華も沈んでしまった。
それから九十五年の星霜を経た建久二年二月の半ば、和州吉野の僧、仁西の枕元に熊野権現がお出ましになり、「津の国有馬の山中に温湯ありしが洪水で荒れ果て今や知る人ぞなき有様、汝、彼の地に赴きてこれを復興せよ」とか「摂津の国、有馬山に温泉がある。病気によく効くので行って温泉を開きなさい。庭の木のクモに道案内をさせます。」とのご神託がありました。仁西は蜘蛛の案内で川を渡り峠を跨ぎ、いよいよ有馬まであとわずかの時に突然蜘蛛の姿が消え途方に暮れていると、蜘蛛に代わって老翁が現れ、「木の葉を投げそれが落つるところに再び湯が沸くであろう」と曰うて忽然と消えた。仁西は一枚の葉を投げそれがひらり舞い落ちた場所を掘るとあら不思議、金色の湯が滾々と甦った。これより有馬の再興に粉骨砕身の仁西、吉野より平家の残党を呼び寄せ、薬師十二神将にちなみ十二の宿坊、有馬十二坊を開いたのでありました。
戦国時代には、有馬は地震による大火に見舞われましたが、それを、秀吉が復興しました。
だから、地元では「秀吉のおかげで、地域が潤っている」と、今でも感謝しています。
有馬は奇跡の温泉と言われる所以は、荒廃しても、いつも奇跡の復活を遂げている事も指しているのでしょう。
温泉ソムリエとは
新潟県妙高高原の赤倉温泉にある、「温泉ソムリエ協会」が主催している、温泉の知識を問う民間資格です。
もともとは、温泉を提供する人達むけのサービス提供レベルの向上を意図した資格だったものを、平成17年から一般の温泉好きな人達向けにもセミナーやツアーとセットで提供することで人気を博している資格です。
東京はじめ全国各都市で、月に数回開かれている温泉ソムリエ認定セミナーに参加するか、1泊2日の温泉ソムリエツアーに参加すれば全員、資格を手にする事が出来ます。
平成24年11月からは、温泉ソムリエの上級資格ともいえる「温泉ソムリエ検定」がはじまりました。オンライン教材を受講したのちに、50問のオンライン検定に合格すると「温泉ソムリエ認定証」が交付されます。
温泉ソムリエの家元のブログがありますので、興味のある方は一読をお勧めします。
ある上級温泉ソムリエ資格をもつ人の感想
有馬温泉を訪れた、上級温泉ソムリエ資格をもつ温泉好きの人によると、有馬には上品な、富裕層ぽい人ばかりが来ていると言います。
そして、温泉街を歩いていると、秀吉の千成瓢箪を連想する雰囲気で「お金持ちになるー」という、世界が満ち溢れている様だったと言うのです。
歴史的にも、有馬温泉は、舒明天皇、孝徳天皇、足利義満、義政、清少納言、小野小町、豊臣秀吉、黒田官兵衛など、政治的にも、経済的にも、文化的にも、成功して繁栄した人達が来てます。
昔の政治と今の経済は、関西が興りで、住友は京都、三井は三重、西武・伊藤忠・丸紅は滋賀、三菱は高知、安田は富山と、財閥はすべて関西が発祥です。
また、芦屋と有馬温泉を結ぶ、芦有(ろゆう)道路は、お金持ちの個人の持ち物です。
そして、六甲山の麓の六麓荘(ろくろくそう)町は、関西で一番のお金持ちの住宅街です。
日本有数の財閥の、トップクラスのお金持ちが、このあたりに集まってるのです。
そういうリッチな所に、有馬温泉が湧き出ているのですから、有馬温泉は、大金運をもたらし、大繁栄をもたらし、大出世をもたらすパワースポット温泉かも知れません。
巨大な金運と、繁栄運と、出世運の温泉という、特別な夢のあるパワースポットです。
有馬の高級旅館とは
宿が最高と云われているの所の3ヶ所を紹介します。
一つ目は
有馬温泉 陶泉「御所坊」(ごしょぼう)という、800年以上の歴史がある旅館です。
有馬で、最も格式が高く、谷崎潤一郎や吉川英治、与謝野晶子も泊まっています。
室町時代には、義満や義政も泊まったといわれ、その建物は、今はなく、建て替えられましたが…。ここは、1泊8万円のスイートルームなど、最高級の部屋を完備しています。
「半混浴」もあるそうです。
二つ目は
700年の歴史のある「兵衛 向陽閣」です。
有馬で2番目に古く、上皇様が皇太子時代に宿泊されたそうで、「兵衛」とは、秀吉がつけた名前だそうです。豊臣秀吉や徳川家康なども宿泊したという由緒ある宿なのです。
金泉と銀泉の両方を堪能できる大浴場や貸切風呂、美しい日本庭園などが魅力です。
3つ目は、「欽山」(きんざん)です。
金泉と銀泉の両方が楽しめる大浴場や露天風呂、部屋食や個室食など、伝統と格式を感じる宿です。セレブなマダムの雑誌「家庭画報」で、料理も部屋も、抜群にいいとお勧めの宿です。
有馬温泉は、湯布院とか、東北のスパリゾートと比べると、圧倒的に食レベルが高いそうです。
湯布院はドイツの温泉を参考にして整備された文化レベルの高い温泉です。しかし有馬はその3倍文化レベルが高く、施設、温泉、料理、サービスと、三拍子、四拍子揃っている温泉ということです。
有馬温泉の素晴らしさ
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歴史と文化 有馬温泉は、古代から存在していたとされ、日本最古の温泉の一つです。有馬温泉には、古くから多くの文人や芸術家が集まり、多彩な文化が花開いてきました。また、温泉街には古い建物や神社仏閣が数多く残り、歴史や文化を感じることができます。
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美肌効果 有馬温泉の泉質は、ナトリウム塩化物泉で、美肌効果があるとされています。泉質のおかげで、お肌がスベスベになり、保湿効果も期待できます。
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神秘的な湯治場 有馬温泉は、神秘的な雰囲気がある温泉地です。温泉街を散策するだけでも、昔ながらの湯治場の雰囲気を楽しむことができます。
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高級旅館や美食 有馬温泉には、高級旅館が数多くあり、美食も豊富です。食材にこだわりを持つ旅館が多く、地元の食材を使ったお料理が堪能できます。
以上が、有馬温泉の素晴らしさの一部です。歴史や文化、美肌効果、神秘的な雰囲気、高級旅館や美食など、魅力がたくさんある温泉地ですので一度は行ってみたい所ですね。