家庭菜園でモロヘイヤを栽培し、食卓で美味しく頂いています。
湯がいて刻むとネバネバが出てきて、いかにもスタミナがつきそうです。
料理レシピも多彩にあり、栽培して成功だなと思っております。
このネバネバ成分はムチンといい、オクラや山芋も同様だといいます。
しかし、調べてみると植物のネバネバ成分はムチンでは無いと書いてありました。
ムチンとは
ムチンとは、糖とたんぱく質が結合してできた多糖類の一種です。
ツバメの巣などのネバネバした食材に含まれており、動物特有のものです。
人間の涙や胃腸や鼻などの粘膜にも含まれ、様々な病気を予防する効果もあります。
日本食品工業学会編の食品工業辞典の「むちん[ムチン]」の解説では、
当学会の前身である日本食品工業学会編の食品工業辞典の「むちん[ムチン]」の解説について、現在の科学的知見から以下のように訂正させて頂きます。
(訂正前)
動植物より分泌される粘質物一般をいう。
(訂正後)
動物より分泌される粘質物一般をいう。
ムチンというのは動物より分泌される粘質物一般のことです。
だから、植物由来のネバネバ成分はムチンの定義に当てはまりません。
植物のネバネバは何?
北里大学理学部化学科 丑田 公規 教授 の研究では
『日本では、山芋、オクラ、納豆などのねばねば物質を見た目で「ムチン」と呼ぶ習慣があり、広く流通している辞典などにも記載がある。しかし、これらの多くは別の物質で、構造からもムチンではない。』と発表されております。
ネバネバ成分は植物粘液といい「ミューシレージ」といいます。
本当に紛らわしいですね。
ミューシレージとは?
ミューシレージ(mucilage)は粘液のことです。
コーヒー豆においては、パーチメントの外側に付着している粘液質のことを指します。
定義すると、植物によって分泌されるゼラチン質の物質とのことです。
どうゆうわけか、これまでムチンだと思われていたのです。
想像するに、専門外の人の知識が一人歩きしたようです。
確かに昔の教科書にはムチンとなっていましたが、訂正されたんです。
近年になって、訂正されてるのを知らずに使い出して定着したようです。
学問的に植物のネバネバに光が当たっていなかったのでしょう。
近年の健康ブームで、それを知らない人が使ったのでしょうね。
それ以降の人は右へ倣えでムチンと言い出したのだろうと存じます。
まとめ
一般の人にとっては、ムチンであろうがミューシレージであろうが問題なしです。
しかし、専門家にとっては大問題です。
日本以外ではミューシレージとなっているから学会あたりでは問題でしょうね。
今、ミューシレージへの警鐘がなり始めています。
茨城県のJAでは、印刷物にムチンとあるのを訂正しています。
植物のヌルヌル成分がどれだけ脚光を浴びるかで、ミューシレージに浸透は早まります。
ムチンの方が呼びやすいですが、ミューシレージになるのは仕方ないですね。