ペンギン宇宙人説の発端となった論文は、9月14日付けで学術誌「Nature Astronomy」に発表されたものです。
金星を取り巻くぶ厚い硫黄の雲のなかにホスフィンが存在し、その濃度は地球の大気中の1000倍以上という内容でした。(参考記事:「金星の大気中に生命が存在か、ホスフィンを検出」)
金星の大気中からホスフィン(リン化水素)を検出したというのです。
ホスフィンは、生命にとって死に至る有毒ガスですが、地球のような岩石惑星においては人間や微生物など生命からしか生成されないと考えられています。
金星で未知の生物によってホスフィンが生成された、と考えられます。
イギリスの研究によると、ペンギンの糞から、ホスフィンが発見されたといいます。
それで、ペンギンが宇宙人では無いかとの疑惑が浮上してきたようです。
ペンギンのホスフィン生成過程
研究者らは英フォークランド諸島に棲息するジェンツーペンギンがホスフィンを生み出す過程について、研究を進めていくといいます。
ロンドンのインペリアル・カレッジのデイヴ・クレメンツ博士は
「ホスフィンの発見が本当であることを確信しています。しかしその制作過程が分かりません」
「嫌気性バクテリアの中にはホスフィンを作るものもあります」
「それらは池のヘドロ、アナグマの内臓、ペンギンの糞から見つかっています」
「競争関係にあるバクテリアに対する防御もしくはシグナルに関係している可能性があります」
以上のように述べています。
噂の根拠
“ホスフィン”は地球と似た金星の大気ガスの層から発見され話題となっていました。
ペンギンの糞から、金星の大気中にあるホスフィンという物質が発見されました。
これらのことからペンギンが金星に関係のある宇宙人ではないかとの噂が出たのでしょう。
多分に夢と希望に満ちたジョークと思いますが…。
研究が進んでいけば真実が明らかになるはずです。(笑)
ホスフィンとは?
ホスフィン は、分子式PH3 で表される、リンと水素によるその誘導体の総称です。
リンの水素化物とそのアルキル,アリール置換体の総称とも言い換えられます。
普通には水素化リンPH3のことを指すそうです。
常温では無色腐魚臭の可燃性気体で、常温の空気中で酸素と反応して自然発火します。
毒性が強く、吸入すると肺水腫や昏睡状態に陥り、死に至ります。
融点 -134 ℃ 沸点 -87.8 ℃ 密度 1.379 g/L (気体, 25 ℃)
日本では強い毒性であるため医薬用外毒物の指定を受けています。
金星のホスフィン
ホスフィンは、地球の大気ににわずかに存在します。
大気のホスフィンは、有機物の分解によって生成されているものと考えられています。
ホスフィンは、木星の乱気流中にも存在します。
木星では、高温な惑星内部で生成され、木星大気中で別の化合物と反応しています。
ホスフィンを非生物学的に合成するには、木星のような惑星級の対流嵐を必要とします。
金星の大気中で検出されるホスフィンの生成についてはわかっていません。
金星におけるホスフィンの検出を発表した論文では、
「(ホスフィンが)未知の光化学や地球化学的反応か、地球におけるホスフィンの生成と同じように、生物の存在によって生成されている可能性がある」
と示唆しています。
金星のホスフィンは誤検出?
生命の痕跡とされる金星のホスフィンは3つの検証グループで再検証されています。
しかし、ここではホスフィンの検出が確認されていません。
金星の大気中からホスフィン(リン化水素)を検出したというニュースが発表され、未知の微生物によって生成されたものではないかとの憶測が広がりました。
しかし、再検証では、ホスフィンの証拠は見つかりませんでした。
検証グループは、望遠鏡の観測データを精査しましたが、金星の雲にホスフィンの兆候はなかったそうです。
ほかのグループも、オリジナルデータを再検証しましたが、ホスフィンの証拠は見つけられなかったそうです。
論文研究チームは、電波を観測する2つの望遠鏡を活用してホスフィンを特定しました。 2017年、英カーディフ大学のジェーン・グリーブス氏らが、ハワイのマウナケア山頂にあるジェームズ・クラーク・マクスウェル電波望遠鏡を使って、ホスフィンらしき物質を検出したといいます。
そして2019年、研究チームはより精度の高いチリの高地にあるアルマ望遠鏡で、ハワイの観測結果を検証しました。
検証チームで再確認が得られなかったことは残念ですが、
論文の研究グループは、当然と受け止めています。
学問的にもっと数多くの思考を巡らせ正誤を判断する必要があるのでしょう。
今後の研鑽を希望を持って待ちたいと思います。
かつて、日本であった小保方晴子さんの万能細胞バッシングになってはいけません。
全て学問の進歩発展に結びつくものですですから、今後の研究に委ねるべきでしょう。
宇宙人説について
ペンギンが宇宙人であるという確証は得られませんでしたが面白い意見があります。
ペンギンのフンから金星にあるのと同じ物質が見つかったことに端を発し、ペンギン宇宙人説が出ているが…
ペンギンが何を食べてるか考えてみろ、
イカだ。あとはもう分かるな?
— 仂㌠ (@ikas9uidcalamar) September 16, 2021
そうです、ペンギンが宇宙人ではなくイカが宇宙人だと示唆しています。
確かにそうかもしれません、非常に興味深い意見ですね。
1960年に日本の日本教育テレビで「ナショナルキッド」という番組がありました。
その中に金星人が出てきます、名前は「インカ金星人」といいます。
この名前で、イカ=金星人のイメージが定着したのでは無いでしょうか。
ちなみに火星人はタコのイメージが定着しているようです。
アメリカのラジオ番組でオーソンウェルズが火星人来襲を放送しています。
ウェルズ『宇宙戦争』のラジオドラマは、1938年10月30日に、アメリカのCBSネットワークで俳優オーソン・ウェルズ率いる「マーキュリー劇場」という番組で放送された。舞台は実在するアメリカの地名に置き換えられ、火星人がアメリカに攻めてきたという内容である。
ウイキペディアより引用宇宙戦争 (H・G・ウェルズ)
まとめ
昔は、金星人や火星人がいるかも知れないと考えられたこともありました。
しかし残念ながら、知性のある高度な生命は住んでいそうにありません。
その他の生命についても、大気や水のない水星や月の上では生命は生きていられません。400度以上の高温の金星では、地球で生まれたような生物はとても生きていられません。
探査機が着陸した火星にも、生命は発見されませんでした。
その外側の木星や土星には固い地面もありませんし、温度も生命には低すぎるようです。
火星からの隕石中に太古の火星の生物の化石が発見されたという1996年のニュースや木星の衛星には生物が存在できる環境があるという説についてもまだ確認されていません。
今のところ、太陽系では地球以外には生物はいないようです。
地球は生命にとってちょうどよい環境だったのでしょう。
しかし、全宇宙で考えると宇宙人がいると考えるのが当たり前です。
確率的に、いない方が不思議なのです。
学者の計算では、銀河系の高度な文明の数は、10万分の1から10億になるそうです。
この数字の中間を取っても、銀河系には100個の文明があることになります。
今のところ、ペンギンが宇宙人である確証は証明されていません。
だからと言ってホスフィンが金星にないとも言い切れません。
もしかすると、ペンギンの食べているイカが宇宙人かもしれません。