銅鍋などの調理器具は扱い次第で毒になる、緑青は安全ですよ。

食品
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役場から食中毒に注意しましょうとの地区放送がありました。

こうゆう放送がある時は、町内で食中毒患者が発生しています。

夏(7月~9月)は湿度や気温が高く、細菌性の食中毒が発生しやすいのです。

 

食中毒は細菌・ウイルスが原因になるものが圧倒的に多いです。

稀に知らないという理由で、化学物質によるものも発生しています。

厚労省ホームページより ⏬

急性銅中毒(厚生労働省食品安全情報)の事例

ヤカンに入れたスポーツ飲料を飲んだことによる銅食中毒が発生しました。

金属製の容器は酸性の飲み物と反応し、金属が溶け出すことがあります。

金属製の容器にジュースやスポーツ飲料を入れる時は、注意書きをよく確認しましょう。

急性銅中毒

急激に大量の銅を摂取すると、頭痛や腹痛を引き起こすことがあります。

やがて肝臓も銅を処理しきれず、体内に銅が分散され、蓄積されます。

脳に銅が溜まるとめまいやけいれんを引き起こします。

 

肝臓に溜まると肝硬変などの症状を引き起こします。

ひどい場合は、死に至ることもあります。

事例の解明(急性銅中毒の解明)

ヤカンはステンレス製で、長く使われており、内側は真っ黒だったそうです。

これは、水道水に含まれる銅イオンが長年使うことで付着したものと思われます。

そして、スポーツ飲料に含まれる酸によって、銅が溶け出し、それを飲んでしまった。

 

残っていたスポーツ飲料を調べると基準値を超える銅イオンが検出されました。

そして、ヤカンの内側は銅がピカピカ輝いていたそうです。

 

銅イオンを多く含む飲料水を知らず知らずに飲んでいたのです。

それで、急性銅中毒の症状が出たというわけです。

同じような食中毒は件数こそ少ないですが、知っていれば防げる事例です。

銅は体に必要な成分

銅はレバーや牡蠣などに含まれ、鉄分などと同じく体に必要な成分です。

しかし、過剰摂取することで中毒となるのです。

 

食品に含まれる銅は通常、胃と小腸で吸収され肝臓に送られます。

そして、タンパク質とくっつき、赤血球や骨の形成を助ける働きをします。

余ったものは排泄されるという仕組みですが、過剰摂取でバランスが崩れます。

 

銅鍋などにつく「緑青」(ろくしょう)は毒?

銅のさびの一種である「緑青」は長い間有毒なものだと信じられていました。

昭和の時代、学校で「銅のサビの一種である緑青には毒性がある」と教えていました。

また当時の百科事典にも緑青は「有毒」とあります。

 

「緑青は毒である」は、長い間信じられてきました。

今でも、そう信じているお年寄りは多いと思いますよ。

 

事実、わたしも銅鍋は危険で、使用は禁じられていると信じていました。

しかし、多くの食品会社を見ていると、結構採用しているんです。

何故だろうと調べてみたら、なんと使用しても問題ないことがわかりました。

 

現在、厚生労働省は緑青猛毒説が間違いであることを認めています。

1981年から国は3年間にわたり研究実験を行いました。

その結果、緑青は「無害に等しい」との認定したのです。

緑青猛毒説が生まれた理由

原因は当時の銅の精製技術の未熟さからきているといいます。

銅の精製度が現在のものより低く、不純物が多かったのです。

 

その不純物が引き起こした中毒を、銅の中毒だと認識していたのです。

だから、当時とすれば緑青は毒の認識は致し方ない事ですね。

銅の精製度が向上した現在では不純物がほとんどないので、緑青中毒は起きません。

 

厚生労働省が、無害と認定してから40年以上が経ちます。

現在でも、緑青が毒だと思い込んでいる人は多いと思います。

銅と緑青の正しい知識が多くの人に広まることで食中毒にならない事を願います。

銅鍋などを使うときの注意

銅が錆びた緑青は人体に害はありませんが、過剰摂取の銅は食中毒の原因となります。

そこで、銅鍋などの銅商品を使用するときには注意が必要です。

 

銅製の調理器具を正しく使うには、下記のようにするのが良いでしょう。

使用する際は調理したものはすぐに取り出し、入れたままにはしない。

調理後は内容物を銅製の調理器具中に保存せず別の容器に移して保存する。

 

特に、酸性のものを調理する時は注意して下さい。

例えば、焼きそば(ソースが酸性です)、ジャム、酸っぱいもの。

 

銅鍋は煮込み料理やカレーにも適しています。

しかし、そのまま保存して、また火を入れてという調理方法はNGです。

カレーを作って、そのまま保存、また温めて食べるのは事故のもとです。

 

調理する前に鍋に傷がついていないか、色が変色していないかチェックしましょう。

錫メッキが剥がれたら、修理して下さい。

色が黒かったら、酢やクエン酸で洗い、綺麗にしてから調理してください。

 

調理し終わったら、中性洗剤とスポンジで汚れを落としてお湯ですすぎます。

タワシなどは傷がつきやすいので、内側の洗浄に使うのは控えましょう。

 

緑青は毒ではありませんが、銅イオンの過剰摂取は毒です。

大量に摂取することで銅中毒を発生させます。

ステンレスやアルミ製であっても、内側に銅イオンが付着していると同じことです。

 

食品衛生法で銅鍋などは内部メッキを施し食品が銅と直接触れないよう規制しています。

しかし、長く使っているとメッキがはけて銅が料理に溶け出すことはあり得ますよね。

まとめ

銅鍋などの銅製の調理道具は便利ですが、注意しないと稀に中毒症を起こします。

また、銅の錆である松緑はほとんど害がありません。

 

銅鍋で作った料理はそのまま保管せず、別の容器に移して保管して下さい。

カレーに関しては銅鍋以外の鍋でも別の容器に移して保管して下さい。

これには、別の食中毒の原因(ウェルシュ菌)になる可能性があるからです。

 

もし急性銅中毒症を発症してしまった場合は、まず全て吐かせること。

病院に連絡して、急性銅中毒症の可能性があるということを伝え指示を仰ぎます。

 

これは銅の知識があれば防げることです。

銅鍋にキズがあったり…銅が使われている水筒が破損、飲み物を数時間入れていたり…

そういったことでも起こっているそうです。

 

一般に日常の食生活で過剰に摂取で危害を生じる可能性のあるものが有害性重金属です。

国が注意の対象としているものは、ヒ素、鉛、カドミウム、銅、スズなどです。

これらの金属については、日常の食生活との関わりをチェックする必要があります。

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