ルイ15世が愛した幻のコーヒー豆「ブルボンポワントゥ」はいかに復活したのか?

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UCCで年に一度、数量限定で販売される幻のコーヒー豆があります。
150g12,960円で販売されているコーヒー豆は、『ブルボンポワントゥ』と言います。
かつてルイ15世が愛し、一度は歴史上から姿を消したコーヒー豆です。
アフリカとインドの間あたりにある「ブルボン島(現在はレユニオン島と呼ばれている)」という小さい島、そこで取れるコーヒー豆です。
この幻のコーヒー豆の知られざる復活秘話をご紹介します。

『ブルボンポワントゥ』の誕生と衰退

1715年、フランス国王ルイ14世の命により、当時ブルボン島でコーヒー栽培が始まりま
エキゾチックな飲み物は瞬く間にルイ王朝全盛のフランスを席巻しました。
とりわけ、ルイ15世や文豪・バルザックなど、多くの人々を虜にしました。
19世紀になると病害虫の被害やサイクロンなどといった自然災害の影響を受けて、
コーヒー豆の栽培が一気に困難になりました。
このような取り巻く環境のために島のコーヒー栽培は減少してしまいます。
次第にサトウキビなど他の農産物へと栽培が変更して行きました。
そして、約70年前にブルボンポワントゥは歴史から姿を消してしまいました。
世界中で飲用されるコーヒーのおよそ7割がアラビカ種です。
アラビカ種の代表品種がブルボン品種なのです。
ブルボンポワントゥはそのルーツに限りなく近い存在がと云われています。
ブルボン品種の突然変異として誕生し、レユニオン島でその個性を宿し続けてきました。
品種の交配がさかんなコーヒー界において、まさに奇跡的な存在なのです。
ブルボンポワントゥは 、コーヒー研究者や専門家の間ではまさに伝説です。
最大の特徴はその形状です、豆も葉も木の形まですべてが尖っているのです。
ポワントゥとはフランス語で「尖っている」を意味します。
豆は小さくて非常に硬い。カフェイン含有量は通常のアラビカ種の約半分。
自然に実るコーヒー豆でこれほど低いカフェインは極めて珍しいのです。
繊細でフルーティな甘い香りと透明感あふれる、みずみずしい香りと味わい。
これは、コーヒーの概念を覆すほどで、他に類のないコーヒーなのだといいます。

「ブルボン・ポワントゥ」を復活させた川島良彰っつて誰?

日本のコーヒー市場は、消費者購入ベースで約3兆円規模に達するコーヒー大国です。
世界各地には、失われた上質なコーヒー豆が眠っていると言われています。
川島良彰氏はそんな豆を見つけ出し、日本へ供給する架け橋となっているのです。
川島氏は、サステナブル(持続可能な)コーヒーという理念を大切にしています。
質の良いコーヒー豆を安定して供給するシステムの構築にも取り組んでいるのです。
1956年に静岡市の、コーヒー豆店を営む家に生まれました。
そのせいか、川島氏はコーヒーに携わる仕事を夢見るようになります。
高校を卒業し、エルサルバドルへ留学しコーヒー研究所で研究員になります。
研究所で約4年が経過した頃、エルサルバドルで反政府軍のテロ活動で、治安の悪化。
川島氏はやむなくロサンゼルスに疎開します。
そんな時、UCC上島珈琲の創業者・上島忠雄会長がロサンゼルスに突然現れます。
川島氏がエルサルバドルでコーヒー研究を重ねている話を聞きつけたからです。
会長の用件は「ジャマイカでブルーマウンテン農園の開発を手伝ってほしい」でした。
川島氏はエルサルバドルに戻るつもりだったので、その話は断りました。
会長は「日本に戻る時は連絡をくれ」と言い残し、帰国します。
しかし、エルサルバドル経済は破綻、いつ情勢が回復するかわからない状態となります。
1981年、日本に戻り、UCCへの入社し、当時3億円予算の大プロジェクトを一手に担うことになります。会長からは「好きなようにやってくれ。責任は全部ワシが取る」

「ブルボン・ポワントゥ」

UCC上島珈琲で川島氏はジャマイカに渡り、コーヒー農園の開発に着手します。
その後ハワイ島やスマトラ島のコーヒー農園開発にも着手することになります。
そのかたわら、ケニアとタンザニアに出張する機会が訪れました。
その時、ブルボン・ポワントゥを探したいという衝動に駆られます。
上島達司社長に相談すると「おお、行ってこいよ!」の嬉しい二つ返事でした。
南アフリカの東に位置するレユニオン島に向かい、ポワントゥの探索を行います。
絶滅したと言われた幻のポワントゥのコーヒーの木を探し求めました。
何か手がかりを求め現地の農政局長に協力を得ようと試みます。
しかし、局長は「産業が消滅したから、木など残っていない」と消極的でした。
「今や世界主流のコーヒー豆であるブルボン種がこのレユニオン島から生まれ、その祖先に限りなく近いポワントゥが今もこの島のどこかで眠っているかもしれない」ことを伝えました。
そしてついに、農政局長はその情熱に心を打たれ、協力することを約束します。
その時は、どうしてもポワントゥの木を見つけることができませんでした。
その後、農政局長は、地元の文献を調べながら、地域を探し続けました。
そして、ついにポワントゥの苗木を見つけ出すのです。
ブルボンとは コーヒー豆の原種であるアラビカ種に属します。
原種にはこの他、カネフォラ種(ロブスタ)、リベリカ種と呼ばれるものが存在します。
ブルボンは、同じアラビカ種に属するティピカと並んで2大優良品種と位置付けられるほど、人気の高い品種でもあります

コーヒー豆の原種アラビカ種のブルボンとは

ブルボンは、世界各地で栽培されているコーヒー豆の品種です。
ブルボン島で生まれたことが名前の由来で、サイズが小ぶりで風味豊かな豆です。
ブルボンはコーヒー豆の原種であるアラビカ種に属します。
原種にはこの他、カネフォラ種(ロブスタ)、リベリカ種と呼ばれるものが存在します。
ブルボンは、ティピカと並んで2大優良品種と位置付けられる人気の品種です。
ティピカと比較すると生産性が高いのですが、病気に弱く手間がかかる傾向があります。

「ブルボン・ポワントゥ」復活プロジェクト

川島はその報告を受けた、レユニオン島に行き、復元プロジェクトを開始します。
数本の大小異なるポワントゥの木から、最良種を選定し、最適な栽培環境と加工方法を見つけ出す必要がありました。
絶滅せずに残っていた木が2000本ほどあり、その中から品質の高いものを4本選んでマザーツリーとしました。
栽培開始から7年、ついに念願のブルボン・ポワントゥが復活したのです。
川島氏は販売価格を、今までに類を見ない高値に設定しました。
社内では「誰も買わない」と言う意見が大半でした。
最終的には上島社長が「売れなくてもいいじゃないか。うちの会社では、こんな面白い取り組みをしていると、わかってもらえるだけでも十分だ」と言ったことで、高価格のまま販売することになります。
結果としては、限定2,000パックのポワントゥはコーヒーファンの間で話題となり、直売店とインターネットで注文が殺到し、すぐさま完売となったのです。

まとめ

ブルボンポワントゥの復活の背景には一人の日本人川島良彰氏の存在があったのです。
またUCC上島珈琲のコーヒーを愛する首脳陣の決定も欠かせませんでした。
一人の日本人の熱意が全てを動かしブルボンポワントゥを復活させたのです。
年に一回の販売で、今年もすぐに売り切れるでしょう。
いつ口に出来るのか楽しみに待ちたいと思います。

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