江の島弁財天は宗像三女神を祀る聖地におわす福の神

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江の島弁財天は、日本の歴史や文化に深く根差した存在です。この地が神聖視され始めたのは約1,500年前、552年頃とされています。日本古来の信仰と伝説が織り交ざっているんですよ。江の島自体は、欽明天皇の時代に、勅命によって宗像三女神(むなかたさんじょしん。スサノオノミコトの娘三柱)を祀ったことに始まります。弁財天は知恵と財福の神様として知られ、多くの人々が商売繁盛や知恵の向上を願って訪れます。

彼女たち宗像三女神は後に大陸から渡来した七福神の一人・弁財天(べんざいてん)と同一視されるようになり、治承6年(1182年、養和2年)には鎌倉殿の源頼朝(みなもとの よりとも)公が文覚(もんがく)上人に命じて弁財天を勧請。奥州藤原氏の調伏を行わせました。さて、窟に籠もった時政が満願成就となる21日目の夜、美しい女官姿の弁財天が降臨したといいます。

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北条氏の家紋「三つ鱗」の由来

さて、ここで面白いエピソードがあります。江の島弁財天は、実は鎌倉時代の有力武士団、北条氏とも深い関係があるんです。北条氏の家紋「三つ鱗」の由来は、江の島弁財天に関連しているとされています。

室町時代に成立した軍記物語「太平記」(第5巻)に、北条氏の家紋「三つ鱗」に関わる北条時政の伝説が語られています。

鎌倉幕府草創の初め、北条時政は子孫の繁栄を願い榎嶋(江ノ島)に参篭しました。満願にあたる日の夜、目の前に弁財天が現れ、

「汝は前生に箱根法師にてありし時、六十六部の法華経を書いて、六十六箇国の霊地に奉納したる善根によって、再びこの国に生まるる事を得たり。されば子孫永く日本の主となつて、栄花に誇るべし。但しその振る舞ひ、もし違ふ所あらば、七代を過ぐべからず。わが云ふ所不審あらば、国々に収めし所の霊地を見よ」

と述べ、大蛇(龍)となり海中に帰っていきました。大蛇(龍)の去った跡には、大きな三つの鱗が落ちており、時政は所願が成就したと喜び、この鱗を北条氏の家紋としました。以降、三つ鱗は北条氏のシンボルとなり、北条一族は繁栄していきます。

鎌倉の銭洗い弁天と江の島の弁財天の違い

鎌倉の銭洗い弁天(禅源寺)と江の島の弁財天(江島神社)は、両方とも弁財天を祀っていますが、それぞれに特徴があります。

鎌倉の銭洗い弁天(禅源寺)
場所:鎌倉市にある禅源寺内に位置します。
特徴:「銭洗い弁天」として知られており、境内の清水でお金を洗うと、倍に増えるという伝説があります。
信仰の対象:財運や商売繁盛の神様として信仰されています。
環境:静かな山間部にある小さな寺院で、自然に囲まれた落ち着いた雰囲気が特徴です。

江の島の弁財天(江島神社)
場所:神奈川県藤沢市の江の島に位置します。
特徴:江島神社は、弁財天を主祭神とする三女神を祀る神社です。江の島自体が弁財天信仰の中心地として知られています。
信仰の対象:知恵や音楽、美術の守護神としても信仰されています。
環境:海に浮かぶ島にある神社で、観光地としても非常に有名です。神社へのアプローチは、壮大な自然景観を楽しむことができます。

両方とも弁財天を祀っていますが、その場所、伝説、信仰される側面などにおいて異なる特徴を持っています。神霊的なパワーという点においては明らかに江の島弁財天がまさっていますね。

三女神とは

江島神社に祀られている三女神とは、以下の三柱の神様を指します。

辺津宮(へつのみや)のタグツヒメノミコト(多岐都比売命):辺津宮は江島神社の中でも最も古く、主祭神はタグツヒメノミコトです。彼女は、夫である五頭龍が海上に作ったとされる江の島に降臨し、島を開いたとされる弁財天の一柱です。

中津宮(なかつのみや)のイチキシマヒメノミコト(市寸島比売命):中津宮の主祭神であり、辺津宮のタグツヒメノミコトの妹神です。彼女もまた弁財天の一柱とされ、福徳、知恵、芸能の守護神として信仰されています。

奥津宮(おくつのみや)のタグリヒメノミコト(田寸島比売命):奥津宮の主祭神であり、他の二女神と共に弁財天の一柱です。彼女は特に航海安全や漁業の守護神としての側面が強調されています。

これら三女神は、それぞれ江島神社の三つの宮(辺津宮、中津宮、奥津宮)に祀られており、弁財天としての側面を持つことで知られています。江の島に関連する神話や伝説にも登場し、地元の人々や訪れる参拝者から深い信仰を集めています。

江の島弁財天と五頭龍の伝説

江の島の歴史を語る上で外せないのが、五頭龍の伝説です。実は、江の島には昔から伝わる、一風変わった恋物語があるんですよ。

昔々、鎌倉の深沢の湖には、体が一つで頭が五つある恐ろしい龍が住んでいました。この龍は山を崩し、洪水や台風を起こして、長い間人々を苦しめていたんです。でも、552年のある日、突如海上に雲が立ち込め、天女が現れました。その天女の美しさに一目惚れした龍は、結婚を申し込みますが、当然のことながら悪行のために断られてしまいます。でも龍は諦めきれず、善行を約束し、人々の役に立つようになります。その結果、天女は龍を信じ、夫婦となったんです。人々は平和な暮らしを取り戻し、今では龍口明神社で五頭龍が祭られ、江島神社で弁財天が奉られています。

この伝説が記された『江島縁起』の絵巻物は江島神社の宝物として保管されているんですよ​​​​。

江島神社に祀られている三女神のうち、辺津宮のタグツヒメノミコトに関連する五頭龍の伝説が最も有名です。しかし、中津宮のイチキシマヒメノミコトと奥津宮のタグリヒメノミコトに関する具体的な伝説は、辺津宮ほど詳細には語られていないようです。

中津宮のイチキシマヒメノミコト
伝説:中津宮のイチキシマヒメノミコトに関する具体的な伝説は少ないですが、彼女は一般的に知恵と芸術、美の守護神とされ、弁財天の一柱としての側面を持っています。
信仰:芸術家や学問を志す人々にとっての守護神として特に尊ばれています。

奥津宮のタグリヒメノミコト
伝説:奥津宮のタグリヒメノミコトに関する特定の伝説はあまり知られていませんが、彼女も弁財天の一柱として尊敬されています。
信仰:特に航海安全や漁業の守護神として信仰されており、漁師や船乗りからの信仰が厚いです。

これらの女神たちは、それぞれ異なる側面や神格を持ち、江の島の信仰と文化において重要な役割を果たしています。しかし、辺津宮の五頭龍の伝説のような具体的で詳細な物語は、中津宮と奥津宮にはあまり見られません。
こうしてみると、江の島はただの観光地ではなく、深い物語を秘めた神秘的な場所なんですね。

神話と現代が交差する場所

江の島を訪れると、古い神話と現代の生活が不思議と融合しているのを感じられます。特に、江の島神社はこの地の精神的な中心地とも言えます。ここでは、弁財天が主祭神として奉られているんですよ。
弁財天は、知恵と財福を司る神様として知られ、多くの信者にとっては特別な存在。江の島神社では、この弁財天と五頭龍の伝説が織りなす神秘的な物語が語り継がれています。この神話の影響は、島全体に広がっているんです。

現代の江の島も、その魅力は変わりません。海を背景に写真を撮る観光客、リラックスする家族、そして伝統と現代が融合したお店やレストラン。神話の時代から続く自然の美しさと、現代の楽しみ方が同居しているんです。

訪れる人々は、ただ観光を楽しむだけでなく、江の島神社と弁財天の神秘を感じながら、この特別な場所の独特な雰囲気を体験しています。古い神話を知ることで、現代の江の島を新しい目で見ることができるでしょう。

周辺のグルメスポット

江の島の魅力は、神話だけじゃありません。この島とその周辺には、美味しいグルメスポットがたくさんあるんですよ。海の幸を中心とした料理は、訪れる人々を魅了してやみません。
まずは、新鮮な海の幸を堪能できる「海鮮丼」。地元で獲れた魚をふんだんに使った丼は、味もボリュームも大満足。江の島の海を眺めながら、新鮮な魚介を味わうのは格別です。

また、江の島名物といえば「シラス丼」も忘れちゃいけません。シラスはこの地域の特産品で、その日に獲れた新鮮なシラスを使った丼は、訪れたらぜひ味わいたい一品です。
さらに、江の島周辺にはおしゃれなカフェやレストランも多く、海を眺めながらゆったりとした時間を過ごすことができます。美味しい食事と素敵な景色、これぞ江の島観光の醍醐味ですね。

江の島弁財天観光のヒントとコツ

江の島弁財天を訪れる際には、快適な散策のために歩きやすい靴を、また季節に応じた服装を心がけましょう。観光客で混雑することが多いので、時間に余裕を持って訪れるのが良いです。
特におすすめのお土産物店ベスト3は以下の通りです。

中村屋羊羹店:江ノ島名物「元祖海苔羊羹」を扱う歴史ある和菓子店​​。
とびっちょ:江ノ島で最も有名なしらす料理のお店で、「釜揚げしらす」のお土産が人気​​。

玉屋本店:羊羹を中心とした商品を扱う老舗和菓子店。特に「のり羊羹」がおすすめ​​。
井上総本舗:90年以上の歴史を持つ和菓子店。看板商品の「貝もなか」は一口サイズで食べやすい​​。

スワン洋菓子店:地元密着型の洋菓子店。銘菓「江の島アルブル」は、江の島サムエル・コッキング苑の「シマナンヨウスギ」を模したアーモンドクッキー​​。
これらのお店では、江の島らしいユニークなお土産を見つけることができます。ぜひ訪れてみてください。

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